週休二日制は欧米の陰謀?

かつて、土曜日の勤務形態を「半ドン」といった時期があったが、それも今は死語だ。最近の若者なら、さしずめ「半分のどんぶり」とでも思うのだろうか。「半ドン」の「半」は半分の意味で、「ドン」はオランダ語で「日曜日」「休日」という意味の言葉だ。つまり。「半ドン」とは、午前中のみ働くという意味だ。半ドンの語源には他にもいろいろあるのだが、この説がほぼ一般的だろう。週休二日制での勤務が当り前になった現代では、「半ドン」は死語になった。

ところで、曜日に関係ない仕事もある。警察、病院、などがその代表格だろう。犯罪も病人も、土日休みというわけではない。一般的にいって、会社も学校も土日休みなのだから、家族との団欒をとろうとすると、警察や病院関係の勤務者も土日は休みたいものだ。だが、シフトという勤務体制の制約が、一方ではある。そこで、「完全!土日休みのパート看護師」みたいな求人広告を目にすることがある。

そもそも、この週休二日制は、欧米ではじまった。1926年にフォードが、先鞭を切ったとされる制度だ。当時の不況下、できるだけ人員削減せずに生産ペースを落としたいという思惑からの苦肉の策だったようだ。わが国では、1980年代に大企業を中心に採用されるようになり、その下請け中小企業も「ウチも土日休みです!」といい、「ウチも立派な会社ですから・・・」と、出きりるだけ優秀な人材確保にも活用した。

いま思えば、働きすぎの日本への欧米からの外圧という側面の方が大きく影響されたようだ。ある意味「欧米の陰謀にハマッタ」のかもしれない。わが国は、「創ってナンボ!」の国だ。表面ずらは「土日休み」でも、実際は、サービス残業で、その皺寄せを消化している。ライフスタイルの多様化がすすむ中、土曜日もしっかり働く勤務体制に戻る時期かもしれない。